矯正治療の開始時期

開始時期について

成長発育期の矯正治療は顎骨と歯槽骨の発育に不調和があり、それを修正し正常な発育に戻すことにあります。歯並びを修正し咬み合わせの良い歯列の構築にとどまらず、歯槽骨、顎骨、顔面、頭蓋とそれを取り巻く軟組織との調和も考慮してこそ矯正治療と呼ぶことが出来ると思います。
歯並びの悪さに劣等感を抱いてしまった子ども達の、身体の成長・発育に伴う心の発達も含めて適切な診療と、乳歯萌出開始から永久歯萌出完了まで健康な歯の萌出に気を配り、永久歯が本来の機能を発揮できるように、将来予測される口腔の諸問題を予防し、成人に達するまで管理することで、子ども達の歯や歯茎の健康、歯並びなどを育て守ることに他の関連病院と連携して最善の医療を提供しています。

当歯科医院では、下記の四段階に分けて治療をおこなっています。

矯正治療はその子の成長に合わせた時期がありますので、早く始めたから早く終わるというものではありません。
その理由は、矯正治療を最適な時期より早く始めたからといって、成長発育も早まることはないからです。矯正治療が終了したらそこで終わりではなく、そこからが新しい歯並びによる新しい生活のスタートが始まるのです。患者様の都合が良ければ矯正治療終了後最初の三年は年二回その後の七年間は年一回の健診を受けていただいております。後戻りなど変化が著しい場合は再治療します。加齢的変化を加味しながら口腔の健康維持に努めています。

世界的に広がりつつある治療法、セルフライゲーションブラケット装置(デーモンシステム)

現在、デーモンシステムはその素晴らしさが認められ、その方法を取り入れる矯正専門医が世界的に拡大しております。
デーモンシステムの最大の特徴は、ハイテクブラケット、ハイテクワイヤーを使用することにより、弱い矯正力、摩擦力の低減を成し遂げることが出来ました。
その結果、治療期間の短縮化、通院回数の減少、治療中の疼痛軽減、抜歯の可能性の減少、清掃性の向上、といった長所、効果がもたらされました。

1《乳歯列期 3歳~8歳》早期治療~歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)

3歳児健診で受け口・下顎前突と言われたら

矯正専門医で相談ください。
乳歯列期、混合歯列期の早い時期の受け口、下顎前突の治療です、現在では歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)という装置を使用して10人中8~9人まで改善することができます。

この時期の治療目的

この時期は、歯性の不正状態から骨格性の不正状態へ移行するのを防ぐのが治療目的です。

ここまで矯正で治すことができます。

歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)は子供がおしゃぶりをするような感じで装着することが出来る為、乳幼児の反対咬合に最も効果を期待できる画期的な装置です。受け口の改善までには個人差がありますが3か月ほどで改善された方もお見えになります。後戻りを考えて前歯がはえ揃うまで定期健診を兼ねて受診(6ヶ月毎)されるようお勧めしております。

2《混合歯列期 5~6歳から11~12歳頃》初期治療

顎の成長・発育を促すことに重点を

顎の成長・発育も旺盛な時期にあり、大人の歯がはえ始め、顎の大きさと歯の大きさの不調和の改善の時期で、歯列の成長・発育に合わて、個々の歯を動かすことよりも、顎の成長・発育を促すことに重点を置いた治療をします。

噛み合わせが深い症例も

噛み合わせを浅くして咀嚼筋の緊張を緩和しながら顎の成長を促すことに重点を置いた治療をします。顎の成長、発育が充分におこなわれれば歯を抜かずに矯正治療をすることもできます。

ここまで矯正で治すことができます。

口腔筋機能訓練法を行いながら上下顎の前後、上下、左右の不調和の改善がメインになります。

3《永久歯列期 11~12歳頃から~18歳頃まで》本格治療

緊密な咬合を構築する時期

永久歯に萌え変わり、顎の成長も最終段階を迎え、個々の歯を動かして、緊密な咬合を構築する時期です。
全ての歯が萌えそろった小学生高学年から中学生、高校生に対する治療です、歯にブラケットと呼ばれる金属またはセラミックを装着して針金を使用して治す方法とトレーを用いた治療方があります。

4《成人期 18歳~》成人矯正

現顎の成長、発育も終了し、歯の移動を主とした治療です。見た目にきれいに並べるだけではなく、噛むことをしっかりできるよう、上下咬合関係の確率を目指した治療です。
咬合の再構築に伴い顎関節への影響も考慮した治療となります。矯正治療は子供の頃しかできない、と言われていた時代もありましたが、年齢に関係なく矯正治療を受けることができます。
当歯科医院では55歳から矯正治療を始められた方もいらっしゃいます。